4月の特別料理は「フランスから春のお便り」と題しまして、本格フレンチのコース仕立てでご用意させていただきました。
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「フォンデュータ?スフォルマート?フォレスティエール?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、今回も調理工程のお写真とともに、一つひとつご紹介させていただきます。

まずは前菜の「ズワイ蟹のフォンデュータソース ポテトのスフォルマート添え」から。

「フォンデュータソース」とは、イタリア・ピエモンテ地方に伝わるチーズソースのことです。本来は青カビチーズなどクセの強いチーズを使いますが、つばさの杜ではご病気を抱えていらっしゃる入居者様も多いため、今回は風味豊かでクセの少ないパルミジャーノ・レッジャーノを使わせていただきました。

卵とパルメザンチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノをよく混ぜ合わせ、湯煎にかけてとろりとした硬さに調整しながら、黄金色のフォンデュータソースに仕上げていきます。

そしてソースの上にのせるのが「スフォルマート」です。
イタリア語で「型から外した」という意味で、じゃがいもをベースにした生地をオーブンで焼き上げる、いわばイタリア版のフランのようなお料理です。

成形後は150度のオーブンで、形が崩れないようじっくりと焼き上げました。高温で一気にではなく、低温でゆっくり火を通すことで、きれいな形を保つようにしております。

こちらが完成した一皿です。お皿に黄金色のソースをたっぷり敷き、中央にスフォルマートを置いて、その上にズワイ蟹を盛り、紫芽(むらめ)をあしらわせていただきました。
目でも楽しんでいただける、コントラストが美しい一皿に仕上がったのではないかと思います。

続いてメインの「黒毛和牛のフォレスティエール」です。「フォレスティエール」はフランス語で「森の風」を意味し、きのこをたっぷり使った仕立てのことを指します。

フォレスティエールには厚切り肉を使うことが多いのですが、今回はご高齢の入居者様が召し上がりやすいよう、きめ細やかなサシが入った上質な黒毛和牛をあえて薄切りで使用させていただいております。

たっぷりのマッシュルームと玉ねぎ、そして生クリーム。これらを大きな鍋で黒毛和牛と一緒にじっくり炒め煮にし、濃厚なクリームソースに仕上げていきます。厨房いっぱいにきのこの香りが広がっておりました。

つばさの杜のご入居者様は、ご病気やお体の状態、食べられる食形態など、おひとりおひとりが異なります。
牛肉が召し上がれない入居者様には鶏肉で代用させていただくなど、同じメニューでも食材を変えて対応しております。「全員に同じものを」ではなく、「その方に合った形で同じコースを楽しんでいただく」これもつばさの杜の食事づくりで大切にしていることの一つです。

コースの合間にほっとひと息ついていただけるよう、トマトのポタージュをご用意。

トマトの酸味と甘みを丁寧に引き出し、なめらかに仕上げた一品です。
前菜の濃厚なチーズソースとメインのクリームソースの間に、さっぱりとしたポタージュを挟むことで、コース全体のバランスを整えております。

デザートにはアーモンドのブランマンジェをご用意させていただきました。フランス語で「白い食べ物」を意味する冷たいデザートです。
上品なアーモンドの香りが広がる、やさしい甘さの一品に仕上げました。フレッシュないちごを添えて、見た目にも華やかになるよう心がけております。

こちらは配膳前の厨房カウンターの様子です。各トレーに入居者様お一人おひとりのネームプレートが立てられているのがおわかりいただけるでしょうか。
食事形態や禁食といった注意事項をスタッフ全員で共有し、同じコース料理でもお一人おひとりに合わせた調理・盛付・お皿をご用意しております。

お食事を召し上がった入居者様からは、
「お肉が柔らかくて、きのこのソースと一緒にパンにつけていただきました。幸せです。」「トマトのスープがさっぱりしていて、コース全体の流れがとても良かったです。」など嬉しいお声をいただきました。

つばさの杜では、「人が最期まで楽しめるのは食事だからこそ、その一食一食を最高のものにしたい」という想いのもと、医師・看護師・ヘルパー・厨房スタッフが一丸となり、ご入居者様お一人おひとりのお身体の状態やお好みに寄り添った食事をお届けしています。

ご興味をお持ちの方は、どうぞお気軽にご相談ください。